今回は鉄骨造の建物で、屋上には加硫ゴムシートで防水が施工されていましたが、下の階に雨漏りしていました。屋上に上がったいくつかの膨れが目に入り、触ってみると膨れているわけではなく下地が凸凹していたためシートがしっかり着いていませんでした。
高圧洗浄をすると下の階に漏水する恐れ(ほぼ確実)があったので、丁寧に拭き取り洗浄をしました。
この時期は天候が不安定で雨の降るたび下の階の方が困っていました。そのため先に仮防水等で雨漏りを止め、その状態を出来る限りキープする工程で行くことにしました。
仮防水を兼ねてゴムシートにゴムアスファルト系のプライマーを塗布します。
床面に通気用の穴を等間隔に開けて、改質アスファルト製の通気緩衝シートを張り付けます。
端部から水が入る恐れがあったのでその日のうちに塞ぎます。
笠木を外し、立上り部のゴムシートを撤去します。
しかし笠木を外すとシートの端部が浮いていて、よく見ると押出し成形セメント板というコンクリートブロックのような穴の開いた形状の外壁材の上にブチルテープという防水に使われる両面テープが貼られ、その上にゴムシートが貼られゴムシートが伸縮したのか端部が剥れていました。・・・・これだけ?と思いながらもここから漏水した跡は無かったので少し安心しました。
まずは粘着力の強いブチルテープの撤去ですが、穴の開いたままの押出し成形セメント板(ハーモニカの口をイメージしてください)に貼ってあったので接着面積がほとんど無くすんなり取れました。
その後ゴムシートを剥がし、穴にバックアップ材を挿入しシーリング処理をします・・・300箇所ほど。
立上り部にカチオン→プライマー→補強布を挿入したウレタン(ノンサグタイプ)を塗布していきます。
ここまでの立上り部の工程は途中で雨が降ると漏水の危険もあるので、その日の天候を見て少しでも雨の降る予定であれば作業を中止します。
床面にレベリングウレタンを塗布します。
床にウレタンを塗布すると硬化するまでの長い時間歩くことができなくなり、忘れ物・降雨・ゴミ等の飛来・虫の墜落(カナブン・スズメバチはお得意様)があっても硬化するまで何も出来ないので、毎回無事に硬化してくれるよう祈っています。
立上り部の仕上げと床面にレベリングウレタン2層目を塗布します。
ウレタン防水層保護の為、全体にトップコートを塗布します。
トップコート硬化後笠木等を復旧し、問題が無ければ終了です。