2022-02-09
本日のスタッフブログは、二宮が担当させて頂きます。
前回に引き続き、今回も屋上防水工事のお客様とのお打合せの中でよく頂くご質問について書かせて頂きます。
前回は「脱気筒」に対しての内容でしたが、今回は同じく防水工事の際に使用する副資材の一つ『改修ドレン』についてです。
前回ブログ『脱気筒って何?』はこちら
そもそも、「ドレン」とは何でしょう。
ネットで検索をかけますと「屋上の陸屋根にある雨水、雑排水や汚水などを排水するための管や溝、及び そのための部品を指します」とあります。
一般的に例えるならば、台所シンクに対しての排水口といえば耳馴染みが良いでしょうか。
【ドレンの役割】
ドレンとは、防水層と雨樋を繋ぐ役割を果たしており、防水面で受けた雨水はドレン内を通って樋へと流れていきます。
防水面で受けた雨水は全てこのドレンが受け止める為、たとえ防水層自体に劣化が見られなくともドレン、またはドレン内の劣化により防水機能が低下し、そこから雨漏りの原因となるケースも少なくありません。その際の補修工事として使用する部材が「改修ドレン」となります。
それでは「改修ドレン」とはなんでしょう。
同じく検索をかけると「改修ドレンとは、防水改修工事を行う際に、現在のルーフドレンの上に新たに取り付けるドレンの事をいいます」とあります。
改修ドレンとは、劣化している既存のドレンに新たに改修ドレンを被せるという方法で、
改修ドレンを設置することで、雨水は新たなドレンホース内を通り(劣化箇所に触れることなく)樋へと流れて行きます。
このように防水工事を行う際に改修ドレンとは非常に重要な役割を担っており、一般的に屋上防水を施工する際のセットで考えられております。
【改修ドレン設置の注意点】
このような改修ドレンですが、どこでも設置すれば良いという事はなく各現場の状況に応じて設置可能かどうかを適正に見極める必要があります。
<メリット・デメリット>
メリットとしては先に述べた防水性能の向上、ドレンを起因とする雨漏りの解消等がありますが、デメリットとしては以下の点が挙げられます。
1、排水量の減少
改修ドレンは既存のドレン内に一回り程系の小さなホースを挿入します。
その為、集水能力が落ち、ドレン内の詰りの原因となる場合があります。元々の径が100φ程の太さであれば問題はありませんが、元が60φ以下のドレンの場合は設置が必要か、設置したことでのリスクはどうかを慎重に判断する必要があります。
2、勾配の変化
改修ドレンを設置することで改修ドレン本体と新たな防水層分の厚みが増します。
その為設置の際は既存ドレン撤去後にしっかりと不陸調整を行い、勾配の確保が取れるかどうかの見極めを行います。
以上のように、防水工事において改修ドレンは非常に重要な役割をもっている半面、知識のない者が施工を行うことで、せっかく防水工事をしたのによりひどくなった、別の問題が発生した等、本末転倒の状況を引き起こす場合もあります。それゆえに、工事を行う際には改修ドレンの持つ役割、効果性能を熟知したうえで的確な施工を行うことがなにより大切な事となります。
日本外装株式会社
サービスプランナー 二宮圭太郎