本日のスタッフブログは、内田が担当いたします。
表題の『サイレントキラー雨漏り』とは何ぞや?
と思われる方が圧倒的多数だと思います。
これは、我々雨漏り修理業者の造語なのですが、
要は具象として表れて(※室内側への浸出など)はいないが、
内部に漏水している状態を指します。
室内側への浸出などの雨漏りと判断できる具象が無いので、家主さまにも気づかれる事なく放置され、木部の腐朽が進んだり、シロアリなどの発生原因になったりする厄介な雨漏りの事です。
この厄介な『サイレントキラー雨漏り』の発見タイミングの一例を以前、弊社所属の雨漏り110番グループのコラムでお伝えした内容を基にお知らせいたします。
雨漏り診断でどうしても気になる部分を発見
木造戸建てのお客様より、雨漏りのご相談があり現地調査を行いました。
室内の雨水浸出位置を確認後、
外部の雨水浸入位置になり得る被疑箇所をピックアップし、
雨水浸入~浸出までの経路の仮説を立てます。
その後お客様に状況を説明し、雨漏り診断(散水調査)を実施する運びとなりました。
散水調査当日は、事前に立てた仮説に基づき被疑箇所に散水するとものの数分で室内に浸出を確認できました。
浸出位置を絞り込むための否定の調査も行い、ほぼ仮説通りの結果になりました。
ほぼと書いたのは、1箇所気になる部分があったからです。
下屋根と外壁の取り合い部分になりますが、クラックが怪しいと思った訳では無く、下屋根端部の納まりが気になり散水している状況です。
実はこの部分を起因とする雨漏りを過去に何件か経験していたので、既存の納まりに違和感を覚えました。
しかし、60分の散水で浸出は確認できませんでした。
結局その日は、雨水浸出位置4箇所に対し、それぞれ漏水を再現し雨水浸入位置を特定できたので、散水調査を終了しました。
その後、お客様よりご依頼を頂き補修工事を実施したのですが、やはりどうしても気になってしまい、お客さまのご了承のもと破風の板金を外し、モルタルを斫ってみました。
破風の板金を外し、モルタルを斫ってみると
結果は・・・
案の定、長年にわたり水がまわって下地の木部が著しく腐食している状況です。
「壁どまり」と言われる部分の納まりが原因です。
修理
専用の壁どまり役物を更に加工して設置します。
何とか下屋根の屋根材をはがさずに差し込むことができました。
その後、二次防水を修繕し、モルタル復旧、塗装仕上げを行いました。
今回、お客様のご理解もあり外壁モルタルを斫ってみた結果、室内に浸出の無い隠れた雨漏り、所謂サイレントキラー雨漏りを発見することができました!
雨漏り補修工事において雨漏り診断(散水調査)は勿論重要で極めて有効な手段となりますが、このサイレントキラー雨漏りについては、散水調査では発見できない可能性が高いのです。
なぜなら散水調査は、
存在する雨漏り具象に対して、漏水を再現して雨水浸入位置を特定する方法だからです。
大切な財産である建物を守るために
今回このサイレントキラー雨漏りについてお伝えしたのは、家主であるお客様が気づかれていない雨漏りの発見のタイミングは外装工事の際に、我々作業員がいかに経験則や目視・触診に基づく違和感を覚えるかだと思います。
大切な財産である建物を守る為、
雨漏りについて経験豊富な弊社に是非ご相談ください。
それでは、今回はこのへんで。
ではでは。
日本外装株式会社
サービスプランナー 内田博昭