社長ブログ

プロとして当然の手間をかける。

2015.6.16

平成27年6月16日(火曜日)

当社の活動状況→本日の工事進捗状況

今日は少し専門的な話です。
現在施工中の外装総合改修工事の現場で打ち合わせしてきました。
外壁防水工事のほうに目処がつき、そろそろ屋上防水工事を始めるんですが、少し難しい判断を迫られているところです。

既存の防水層が加硫ゴムシートなんですがプレハブ物置の下には全く貼ってない状態なのです。
つまり防水層においてプレハブ物置サイズ(3M×2M)の穴があいてるわけです。
ようするに防水層としては全く機能していないことになります。
なんせ大きな穴があいてるわけですから。

その穴の部分からはコンクリート(保護層)が露出している状態です。
そこから大量の雨水が加硫ゴムシートの裏側に回りこみ屋上全面に広がっています。
それでも今現在雨漏りしていないということは保護コンクリートの下にある元々の防水層が活きているということです。
おそらくアスファルト防水層が入っており、それが今でもしっかり機能しているのでしょう。
となると、理屈で考えれば、既存の加硫ゴムシートは何の役にも立っていないことになります。
撤去してしまっても何の問題もないはずなんです。

ところが、ことはそう単純ではなかったりします。
念のためと思い、既存の加硫ゴムシートを施工した経緯をお客様にお尋ねしたところ、ビルが完成してまもなく雨漏りが発生したことがあり、その際に加硫ゴムシートの工事をしたとのこと。
そして、その工事によって雨漏りが止まったのだと仰るのです。

この情報によって判断が難しくなってきます。
現在の状況をみれば防水として機能していないのは明らか。
にもかかわらず、この加硫ゴムシートを施工したことによって雨漏りが止まったと。
それをそのまま素直に受け止めると、既存の加硫ゴムシート撤去した場合、もしかしたら雨漏りが再発するかもしれない。
その可能性が少なからずあるということになります。
さてさて、いかに判断すべきか・・・・・・・・

こんなケースこそ雨漏りハンターの腕の見せどころ、と言いますか、本領発揮すべき見せ場です。
正しい判断をするためには経験が必要なのです。
まずはいろいろと仮説を立て、推察・推考を重ねていきます。
そのうえで、現場を隅から隅までじっくりと観察するのです。
答えは必ず現場にあります。

今回導き出した答えは、屋上の平場以外の部分に雨漏りの原因があるだろうということです。
おそらく防水の立ち上がり部分の取合いに雨漏りの原因があるはずです。
平場の保護コンクリートには現状でも滞留水がたっぷり含まれていますので、もし平場に不具合があるのであれば今この時点でも雨漏りが発生していなければおかしいのです。

そのようなことから、今回の施工方法としては、加硫ゴムシートを撤去すると同時進行で立ち上がり部分に仮防水を処置することになります。
ゴムシート撤去後に万一雨が降った場合に雨漏りが再発するリスクへの備えとしての仮防水です。
手間はかかりますが、かけて当然の手間です。
建物を守るための防水工事で雨漏りを再発させるわけにはいきませんので。

ではでは。

僕の著書です→『自分を磨く「嫌われ仕事」の法則/経済界

音声でもお聴きいただけます。→オーディオブック版はコチラ

興味がある方は是非読んで(聴いて)みてください。

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