平成25年1月31日(木曜日)
当社の活動状況→本日の工事進捗状況
日本の凄い経営者シリーズ。(シリーズって何だ?笑)
一人目は、クロネコヤマトの実質的な創業者である小倉昌男さん。
実質的な創業者・・・と書いたのは、
一応、ヤマト運輸そのものは小倉昌男さんの父親が創業した会社で、
小倉昌男さんはその二代目経営者だから。
でも、クロネコヤマトの宅急便を開発し成功させたのは小倉昌男さん。
日本における宅配便ビジネスを生み出した人。
我々が色んな荷物を受け取ったり、あるいは送ったり、
通販で便利に買い物が出来るのは間違いなく小倉昌男さんのおかげです。
仮に小倉昌男さんがやらなくても、
いずれは、他の誰かが宅配便ビジネスを手がけたでしょう。
でも、今ほど素晴らしいサービスは実現しなかったはずです。
おそらく、クール便も当日配達も荷物追跡システムも、
今、我々が便利に使っているあらゆるサービスが、
ここまで充実していなかったことでしょう。
単に宅配便ビジネスの生みの親ではなく、
日本の流通ビジネス、流通システムに多大なる影響を与えた人。
なので、その流通システムを利用している全てのビジネスは、
小倉昌男さんのおかげで商売出来ていると言っても過言じゃありません。
ネット通販の会社も、カタログ通販の会社も恩恵を受けているのです。
クロネコヤマトの成功要因はいろいろありますが、
ビジネス誌やビジネス書で取り上げられている部分はスルーして、
もっと本質的なところでの成功要因をまとめてみたいと思います。
そうですね、ヤマト運輸の成功理由というよりも、
小倉昌男さんの経営者としての凄みや素晴らしさという観点です。
小倉さんがいかに卓越した経営者だったのか・・・
まず第一に、彼は労使関係をとても大切にしました。
小倉昌男という人は、労働組合を一切敵視しなかった経営者です。
普通のことのように聞こえるかもしれませんが、
一昔前の労働組合は、経営者にとって本当にやっかいな存在だったのです。
名経営者と言われる人たちの中でも、
小倉昌男さんほど労組を大切にした人は稀でしょう。
でも、だからこそ宅急便が成功したという側面があります。
現場で働くドライバーたちの自発的な努力が、
様々な新サービスの開発につながり、宅急便の成功に寄与したのです。
働く人を大切にするという気持ちをずっと持ち続けた本物の経営者です。
第二に、彼は監督官庁と正々堂々と戦いました。
おそらくこの点において小倉昌男さんほど戦った経営者はいないでしょう。
監督官庁である運輸省(当時)と徹底的にケンカをして、
筋違いの横車を押してくる郵政省ともケンカをして、
そして、その全ての戦いに勝利して今の宅配便ビジネスを作り上げたのです。
この点が、もしも小倉さん以外の人が宅配便ビジネスを手がけていたら、
全く違うカタチになっただろうと思う理由です。
彼が命がけで徹底的に戦い抜いたからこそ、今の流通システムの充実があるのです。
僕が昔勤めていた◯川急便は、全く真逆の手法で、
政治家の力を利用した裏技的なやり方でどんどん流通網を広げていきました。
それを横目でみながら、政治家の力など一切借りずに、
横車を押す役人と正々堂々と戦い抜く凄み。
この強さ(=正しさ)を、心から見習いたいと思っています。
第三に、引き際と引退後の素晴らしさ。
これは本当に凄い。
日本には素晴らしい経営者が沢山いますが、
引き際において、小倉昌男さんの右に出る人は皆無でしょう。
本田宗一郎&藤沢武夫というホンダ創業者コンビの、
鮮やかすぎる引き際も有名ではありますが、
あの有名な引退劇ですら小倉昌男さんの比じゃありません。
なんせ、自分が持っているヤマト運輸の株を全て引き払い、
それを自分の子供や孫たちにも一切譲渡せず、
自らが育てたヤマト運輸と資本的な関係を完全に断ち、
財産のほとんどを寄付して、障害者のための『ヤマト福祉財団』設立。
その運営に余生のほとんどを捧げ、80年の人生を終えます。
うーん、言葉も無いですね。
キーボードを打ちながら涙が出そうになります。
究極的にカッコいい人生です。
経営者としても大尊敬していますが、
それ以上に人間として心から尊敬できる人です。
尊敬する経営者は沢山います。
しかし、小倉昌男さんだけは別格です。
この人のように生きたい。
そして、この人のように死にたい。
心からそう思っています。
僕の中では小倉昌男さんこそが理想の経営者であり理想の人間です。
1ミリでも近付けるように日々精進します。
最後になりましたが、
小倉昌男さん関連の書籍と言えば『小倉昌男の経営学』が有名です。
僕の座右の書でもありますが、
この本以外にも、『経営はロマンだ!』も良いです。
あと、あまり知られていない本ですが、
経済小説の『挑戦つきることなし/高杉良』はかなりオススメです。
ぜひ読んでみて頂きたい本ですね。
うーん、日本の凄い経営者シリーズ。
第1回目なのに力が入りすぎたかもしれない。(笑)
ではでは。
僕の著書です→『自分を磨く「嫌われ仕事」の法則/経済界
興味がある方は是非読んでみてください。