昨年の秋に着工した外壁防水改修工事の現場を本日無事にお引き渡しすることができました。
当初の工期では12月初旬に完工予定だったのですが、次から次へと想定外の問題が発見されて、結果的に約1ヶ月近くも工期が延びてしまいました。
ここまで工期が延びてしまったのは久しぶりです。
お客様はもとよりご近隣様にも迷惑をかけてしまいました。
誤解を恐れずに言いますと、当社において工期の延長は珍しいことではありません。
流石に今回のような1ヶ月以上もの工期延長はレアケースですが、ちょっとした工期延長はそれなりに発生しています。
頻繁とまでは言いませんが、まあ年に数回程度は発生しています。
けっして工期を軽んじているワケではありません。
また、工期を組む際の想定や計画が甘いわけでもありません。
工期を守ることは言うまでもなく重要ですが、工期よりも大切なものを守ることのほうがもっと重要だと考えているからです。
工期よりも大切なもの、それは工事の目的です。
そもそも何のために工事をしているのか?ということです。
例えば雨漏りを直すための工事、雨漏りを予防するための工事、あるいは建物の美観を向上させるための工事、など工事には様々な目的があります。
目的を果たすための手段として工事を実施するわけです。
工期は大事だけど、工期を守ろうとするばかりに工事の品質が落ちてしまったり、そもそもの目的を果たせなければ本末転倒です。
また、工期を守ろうと職人さんが無理をしたり無理をさせたりして事故が起きたりしたら最悪です。
もちろん色んなトラブルを想定して多少の余裕をもって工期を組むことが大切です。
ですから、工期延長はプロとして恥ずかしいこと、という考え方があるのも否定しません。
当社としても色んなことを想定して工期を組んでいます。
にもかかわらず工期延長が起きてしまうのには理由があるのです。
それは、雨漏りのプロとしての責任があるからです。
ごく普通に塗装工事や防水工事をするだけだったら、ある程度のトラブルを想定しておけば、大抵の場合は工期内におさまるでしょう。
しかし、当社は雨漏りのプロフェッショナルです。
雨漏りを確実に止めるのは当然のこととして、さらに先々の雨漏りを起こさないこと、つまり雨漏りの予防に対する責任があるのです。
そのような雨漏り予防の観点で工事に取り組んでいると、足場を組んで建物をじっくりと調査すると、見積の段階では想定できない様々な問題や問題の芽が発見されることがあるのです。
仮にそれをスルーしたとしても将来的に雨漏りが起きる可能性は低いかもしれません。
しかし、我々としてはそのようなリスクを発見した時に、それをスルーするわけにはいきません。
リスクに対する手当をしなければいけません。
そんなワケなので、普通の工事施工会社と比べると、どうしても工期延長するケースが多くなってしまうのです。
本日お引き渡しをしたお客様の場合も、工事を進める途中で次から次へと雨漏りのリスクが発見されました。
その都度お客様と相談しながら、できるだけ費用をかけずにリスクを排除するための対策を打ちました。
その結果、工期が1ヶ月以上も延びてしまったのです。
もちろんできる限り近隣様にご迷惑をかけないよう、足場の絡んだ工事を優先して進めて、足場だけは去年の年末のうちに解体いたしました。
工期延長はやむを得ないとしても、その中でベストを尽くして、お客様や近隣様への負担を低減することも大切です。
そして、最も大切なことは、常にお客様と相談しながら、建物にとって何が大事なのかを考え、建物にとってベストの選択をし続けることです。
その結果、工期が延長するのであれば、それは仕方がないと考えています。
大切なのは工事そのものではなく、工事をする目的を果たすことです。
工事において工期は大切です。
しかし、安全と工事の品質、そもそもの工事の目的は、工期よりもはるかに大切です。
それが当社の方針です。
ちなみに工期が延長することは、ほぼ確実に当社の利益を大きく減らすことにつながります。
でも、目先の利益よりも大切なものがあります。
それがプロとしての責任であり、お客様からの信頼です。
これからも建物にとって何が大切かを考え続けたいと思います。
ではでは。