塗装について

塗料の希釈について

2023.2.21

2023-02-21

本日のスタッフブログは二宮が担当いたします。
年が変わり本格的な寒さも増す今日この頃、思う事がありまして、私は通勤にバイクを使用して会社まで通っております。
車と違いバイクは体を遮るものがなく、エンジンの上に直接またがるという特徴がありますが、そんなバイクを走らせていると直接肌に日々の気候の変化を感じます。春は良いです、春風が心地良くニコニコしながら走っています。
夏も暑いですが抜けていく風がとても気持ちが良いですね。
で、この季節(秋~冬)です。何の季節も感じたくない、ただただ早く会社につきたい。
それだけを思いながら毎朝会社へ通っています(笑)
会社は会社で職業柄、現場の皆は朝早くに出社をして現場へ向かっている為、自分が出社する時間には大体誰もおらず、冷え切った社内を温める作業から私の冬の業務は始まります(笑)

と、そんな季節もあとわずか(な、はず)ですが、過去にも触れたことがあるかもしれませんが、季節ごとの材料の違いについてのお話です。
お客様のもとへお伺いした際に、お客様から施工の時期はいつ頃が良いの?材料の違いはあるの?とご質問を頂く事があります。
良く材料によっては大きく「夏用」「冬用」と銘打ったものがあります。
「夏用」「冬用」とは何なのか、その違いは何か。
このテーマ、詰めていくと非常に長い説明になってしまいますので、今回はそのさわりとなる「希釈」についてお話します。

どんな工事でも塗装を行う際に必ず必要となる材料にシンナーがあります。
このシンナーを例にとってご説明いたします。
そもそも「シンナー」とは「希釈材」であり「塗料を薄めるための溶剤」です。
「塗料を薄める」とはどういうことか、塗料という物はそのままの状態では粘度が高く、粘度が高いまま塗ってしまうと(塗料に引っ張られてしまい)塗りムラの原因となります。
また、粘度が低すぎると(希釈しすぎる)刷毛やローラーから塗料が垂れてきてしまいます。
どちらも調節のミスはそのまま仕上がりの美しさに大きく左右してしまう、極めて重要な項目です。
その為にメーカーからは「希釈率」という、その塗料の性能、耐久性を発揮する為の最適な基準値という物が設定されています。
我々はその基準値を基に工事を進めて行くわけですが、通常の「希釈率」に加え、もう一つ気にしておかなければならないのがその時の施工時期「夏場なのか冬場なのか」という事に繋がります。

特にわかりやすい、シンナー等揮発性の高い材料などは夏用・冬用があり、その違いはシンナー自体の蒸発速度の違いになります。
当然のことながら夏は外気温も高い為、シンナーに限らず、ほっておいても見る見るうちに塗料が塗ったそばから乾燥していきます。
一見良い事のように聞こえますが、場合によっては「みるみる乾燥していってしまう」という言い方もできます。
そこで状況に応じ乾燥を遅らせるために夏用のシンナーを使用して希釈し作業を進めます。
反対に冬は乾燥を早くさせるために冬用のシンナーを使用します。

今回は「塗りやすさ」だけにフォーカスしてご説明いたしましたが、「希釈」という役割には他にも粘度調整をすることでパターンをつけたり、塗料をダレさせることなく厚みをつけたり、使用環境によって様々な希釈率の設定があり、奥が深く、重要な工程です。

そこを守らなければ、例えば塗りやすいからと言って薄い塗料をそのまま使い「施工期間短縮、金額も抑えられました。」これでは10年もつようなプロの仕事とはとても言えません。
3年もすれば塗膜はひび割れ、剥がれ、汚れてしまう事でしょう。
適切に希釈をして塗ってあげる事で塗装後もはがれたり変色することなく、美しい外観を保つことができます。
我々プロの職人の仕事とは、施工中の効率だけではなく、5年後、10年後の建物の状態を考えながら工事を進めて行く事だと考えております。

 

シンナー類
シンナー類

 

防水に使用するウレタンにも冬用があります
防水に使用するウレタンにも冬用があります

 

日本外装株式会社
サービスプランナー 二宮圭太郎

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