社長ブログ

斜壁の防水工事-その1

2016.2.5

平成28年2月5日(金曜日)

ある商業ビルの現調に行ってきました。
外装改修工事(大規模修繕工事)をご検討中の物件です。
築30年近いのですがこれまで外装工事は一切やっていないとの話でした。

現調をしていて思わず唸ってしまいました。
建物の状態(傷み具合)があまりにも悪かったからです。
特に酷いのが斜壁(ななめかべ・しゃかべ)でした。

RC造なんですが斜壁はアクリル吹付けの塗装で仕上げてあります。
斜壁全体にヘアクラックと構造クラックが入りまくりです。
ほぼ全面がひび割れ状態。
当然のことながら爆裂も多く、いつ落下事故が起きても不思議じゃない状態です。
いや、落下事故が起きないのが不思議なぐらいです。
ちょっとした地震や台風で落下する可能性があります。

もし可能であればロープでぶら下がって落下防止の応急処置をしてあげたいところですが、斜壁がこの状態だとロープが触れただけモルタルの欠片が落ちる危険性があります。
あまりにもリスクが大きいのです。
すぐにでも足場を組んで改修工事をするか、とりあえず落下防水ネットを掛けて養生するか、いずれにしても早急に手を打たないと危険な状態です。
30年ぐらい前の建物ですので、ある意味仕方がない面もあるのですが、やはり斜壁は屋根だと考えて、屋根としての対策を施さないとダメという典型事例でしょう。

こちらの建物の場合、斜壁は完全に外壁としての仕様(仕上げ)になっています。
斜壁にアクリル塗装では全く防水性を期待できないので、おそらくかなり早い段階から雨水が躯体に浸透しコンクリートの劣化(中性化)が進んでいたはずです。
さらには年を追うごとに大小のクラックも発生し、そこからも雨水が入っていく・・・・・・・・
ここまで酷い状態になると、もはや応急処置は不可能です。

せめて10年ぐらい前に工事をしておけば、ここまで酷い状態にはならなかったと思うのですが・・・

とは言え、今から時間を10年前に巻き戻すことはできません。
今この状態に陥ってしまった建物を、いかに再生するか、いかに守るかが我々の仕事であり使命です。
なかなか骨の折れる仕事になりそうですが、ここまで傷んでしまった建物を正常な状態に戻し、さらには長持ちさせるために、費用対効果の高い最善の打ち手を考えなければなりません。
プロとしての腕の見せ所です。
さてさて、どうしたものか・・・・・・・・

う~ん、長くなってしまいそうなので次回に続きます。(笑)

ではでは。

僕の著書です→『自分を磨く「嫌われ仕事」の法則/経済界

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興味がある方は是非読んで(聴いて)みてください。

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