平成27年1月22日(木曜日)
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先週完工した屋上防水工事の現場での話です。
現状雨漏りしている物件なので、いろいろなことを想定しながら慎重に工事を進めました。
構造としては、屋上スラブがALC版で、その上に(おそらく)アスファルトの防水層があって、保護層が押さえコンクリートです。
約10年ぐらい前(おそらく)に他の業者さんでウレタン塗膜防水(密着)を施工してあります。
他の業者さんの悪口は言いたくないのですが、この広さの屋上防水を密着工法というのは実に残念です。
雨漏りしているのは最上階の天井です。
天井のジプトーンを外してスラブを確認すると、ALCの版間から漏水した跡を確認できました。
下の写真が雨漏りしている箇所の上部にあたります。
既存のウレタン防水が既に防水としての役目を果たしていないのは間違い無さそうですが、その他にも、この写真からいろんなことが見えてきます。
経験値の高い雨漏り診断士であれば、写真をパッと見ただけで複数の雨漏りリスクが発見できるはずです。
つまり、このケースの場合、ただ単に屋上防水をやり直しただけではダメだと言うことです。
リスクとなるポイントは複数ありますが、下の写真はそのうちの一つです。
アルミ笠木を撤去したら、こんな状態です。
これでは、台風・豪雨の際にアルミ笠木の裏に雨が吹き込んだら雨漏りするのは確実です。
当然のことですが、この笠木下の天端まで防水をしなければなりません。
前回の業者さんが残念なのは、こんなところからも見て取れます。
先日の記事にも書きましたが、まさに手段の目的化と言うヤツですね。
防水屋さんがウレタン屋さんになってしまっているワケです。
防水の知識と技術で建物を守るのが防水屋としての本来の仕事なのに、それを完全に忘れてしまって、ただ単にウレタンを塗るのが仕事になってしまっている。
残念の極みです。
ま、それ以前の問題として、ここの建物に密着工法を選択してる時点で、ウレタン屋さんと呼ぶのすら憚れますけどね。
そんなワケで、防水屋さんとウレタン屋さんは全く違うと言うお話でした。
大切な建物の防水工事は、ウレタン屋さんではなく防水屋さんに頼むことをオススメします。
ではでは。
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興味がある方は是非読んで(聴いて)みてください。