今回の工事はRC造の5階建てで5階から雨漏りしている現場でした。屋上には既にウレタン防水がされていて、ドレン部分にも鉛ドレンが入っているとのことでした。
本来ここまで施工してあればドレンが雨漏りの原因になることは考えにくいのですが、正しく施工されていない場合もあるのでしっかり確認します。
ストレーナーを取ってみるとドレンパイプに比べて鉛ドレンのホースがとても細いことがわかりました。
さらに中を覗いてみると蛇腹のホースが完全に縮んでいました。これはパイプの中を通るホースがエルボ(曲がっている部分)等を曲がりきれずにぶつかり潰れている状態です。
そして外側からドレンパイプの一部に穴を開けホースを確認したところ、本来あるべき所まで届いていなかったので施工不良と判断し撤去することにしました。
取り始めてみると設置の仕方も正しい施工とは言えません。市販されている鉛ドレンは接着面積を取るため鉛部分が広くなっており、広いまま設置するのが望ましいです。既存の鉛ドレンは小さなドレンに合わせ切ってしまっていました。
こういった小さなドレンは鉛を広いまま設置する為、コンクリートを切って広げるか段差を埋めてドレンの口をずらす工法が良いと言えます。
抜き取ってみると更にびっくりしました。とても短いです。そしてエルボにぶつかっていたであろうホースの先っぽが潰れてしまっています。これでは正しく雨水が流れません。
ホースの長さもこの細い径では実際市販されてるスタンダードな長さですが、このドレンパイプには細く・短く完全な施工不良です。
個人的にこういう施工を見ると怒りを覚えます・・・。なんでこんな基礎的なことができないのか・・・。恐らく足場等の高所作業でもヘルメットすら被れない意識の低い業者がやってしまうのだろうと勝手に思って納得しています。
鉛ドレンのホースはパイプが下向きに落ちる部分まで届いていないと意味がありません。
写真のようにパイプの横向きになっている部分が長ければ鉛ドレンのホースも長くしなければなりません。ホースが短いとパイプ内で雨水が逆流する恐れがあります。
これが今回のドレンに合わせた鉛ドレンです。さすがにここまで長いと特注ですが横向きのパイプの長さ・勾配によっては材料も加工する必要があるです。
不要な段差に樹脂モルタルを充填してドレンの入り口を変えます。このとき勾配不良にならないように注意します。
後は通常のウレタン工程です。
鉛ドレンを接着し、端部にシーリング処理をします。
プライマー~補強布~ノンサグタイプウレタン塗布をしていきます。
ここの工事は真夏だったので硬化の早さ、カナブンの大群に苦労しました・・・。
ノンサグタイプ2層、レベリングタイプ2層塗布します。ドレン周りは立上り部と平場の両方の工程が入るので一番工程数が多い場所になります。
トップコートを塗布、ストレーナーを設置し仕上りの確認をします。問題が無ければ終了です。