アスファルト系防水層
熱工法
熱工法は、溶融した防水工事用アスファルトでアスファルトルーフィング類2~4枚を積層して防水層をつくる工法である。
特徴
熱工法の特徴は、溶融した防水工事用アスファルトを使用することにある。防水工事用アスファルトは、現場において溶融釜を使用して溶融するが、溶融されたアスファルトは、ルーフィング類を張り付けた後、時間を経ずして硬化し、防水層としての機能を発揮する。つまり、防水層を完成させるまでの作業時間の中に養生時間や養生期間がなく、防水層を容易につくることができる。しかし、この工法の問題点は、溶融したアスファルトが異臭を放つこと、溶融温度がきわめて高温であることから危険性をともなうことである。
施工法
アスファルト系防水の熱工法には、密着工法と絶縁工法がある。
トーチ工法
トーチ工法は、厚さ3~4mm程度の改質アスファルトルーフィングシート1~2枚をトーチバーナーであぶり融かしながら張り付け、あるいは張り重ねて防水層をつくる工法である。
特徴
トーチ工法の特徴は、段取りが簡単であり、施工も改質アスシートをあぶり融かして張り付けるだけという簡単な作業で容易に防水層をつくることができることである。しかし、この工法の問題点は、改質アスシートをあぶり融かすという簡単な作業において、あぶり不足が原因の不具合が多く発生していることがある。この原因は、トーチバーナーの火炎が強いことおよび温度が1,000℃以上にもなることから、改質アスシートに火炎を当てればすぐに融けるような錯覚が生じているためである。
施工法
トーチ工法の施工法には、密着工法と絶縁工法がある。
常温工法
常温工法は、下地にプライマーを塗布し、乾燥を確認した後、粘着層付改質アスファルトルーフィングを張り付け、ローラー転圧をして接着させて防水層をつくる工法と、改質アスルーフィングを常温で液状のゴムアスファルトなどで密着させて防水層をつくる工法がある。
特徴
常温工法の特徴は、アスファルト系防水の中にあって、火気および有機溶剤等を使用しないことから作業の安全性が高く、施工現場の近隣環境に対しても影響を与えない工法といえるが、粘着層付改質アスルーフ類は、粘着性が強いことから、改質アスルーフ類の下に空気を抱き込みやすいという問題があるほか、冬季の低温時の施工では、粘着層が固くなり接着しにくいという問題がある。
また、液状のゴムアスファルトを使用する工法では、材料の硬化に長い時間がかかるため、天候の変化などへの対応ができないという問題があるほか、冬季の低温時においては、材料の凍結に注意しなければならないという問題がある。
施工法
常温の施工には、接着工法と絶縁工法がある。