建物において防水が必要な個所(部位)は屋根、屋上だけとは限りません。
と言うのも建物にとって、防ぐべき「水」は雨だけとは限らないからです。
建物に影響を与える「水」は、大きく分けて次の3つあります。
1. 雨(降雨)による水
雨・雪など気象的な要因で発生し、建物に対して落下し、流れ、あるいは風と共に横方向から建物にあたり、その後、跳ね返ったり、溜まったり、浸みこんだり することで建物外部に直接的に影響を与える水です。
影響のある箇所(部位)としては、
屋根・陸屋根・屋上・テラス・バルコニー・ベランダ・外壁・基礎・開放廊下などがあります。
2. 地下水(湧水)による水
地上に降った雨などが地面に浸透し滞留する水のことで、地域性や地形、季節、天候などによって水量(水位)や水圧が変化します。
圧力があるという点が、1.の雨と大きく違う部分であります。
影響のある箇所(部位)としては、
地下室、地下ヨウ壁、エレベーターピットなどの地下部分に限られます。
3. 生活用水による水
生活用水とは文字通り生活に必要な水で、使用する前の水(給水)と、使用した後の水(排水)があります。
これらの水が配管から出る場所、あるいは漏れる可能性がある場所において防水が必要になります。
箇所(部位)としては、
浴室、洗面所、キッチン、トイレなどのいわゆる水周りに影響があります。
また、工場 や企業などの場合は産業用水となりますが、基本的な考え方は生活用水と同じです。